webデザインスクールは無駄?歴14年webデザイナーが回答
「webデザインスクールへ行っても無駄ですか?」
なんて質問がたまに寄せられます。
以下はよく耳に入ってくる「webデザインスクール無駄派」の意見。
- webデザインスクールで身につけられるスキルは独学可能。
- webデザインスクールへ通う費用は安くても20万円。
- 独学でも身につくスキルに20万円は高すぎる。バカらしい、もったいない、意味ない。
こうした声を耳にすると、これからスクールで頑張ってみようと思っている人は不安になってしまいますよね。
で、本当に無駄なのかなあとネットを調べたり、僕みたいなものに質問したりしてしまうんだと思いますが……
僕自身は、webデザインスクール賛成派です。
だって、リアルにweb制作の現場では、スクール卒のwebデザイナーもたくさん活躍していますよ。
ただ、全員にとってwebデザインスクールが有益なものになるとは限らない、というのは事実。
実は、「webデザインスクールを無駄にしないための秘訣」があります。
以下です。
- webデザインスクールがどんなところかをちゃんと理解した上で、目的に合ったコースを選ぶ。
当たり前なんですが、意外とこれができていない人が多いです。
あなたはwebデザインスクールがどんなところかちゃんとわかってますか?
webデザインスクールへ行けば、一人前のwebデザイナーとして活躍できるくらいのスキルが身につくと思ってませんか?
受講期間を終えればすぐに就職口が見つかる、あるいは、フリーランスとして稼いでいける。
そんなふうに過度な期待を持ってませんか?
これらは、よくある勘違いです。
こうした勘違いを抱えたままwebデザインスクールへ行ってしまうと、当初に抱いてた期待が裏切られることになるでしょう。
「なんだよ、お金も時間も無駄になった」という残念な結末を迎えます。
こんな失敗を避けるため今回の記事では、webデザインスクールがどんなところなのかを詳しくお伝えしていくつもりです。
webデザインスクールのメリット・デメリットが理解できるので、あなたにスクールが向いているかどうかがわかるでしょう。
webデザインスクールの費用は20~50万円が相場。
この記事を読むのにかかる時間は10分くらいでしょうか。
わずか10分で少なくとも20万円を無駄にしないための知識が身につきます。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
目次
なぜ、webデザインスクールが無駄になってしまうのか?
「webデザインスクールなんて意味ない」と訴える無駄派の意見をまとめてみました。
だいたい以下のような感じになるかと思います。
- webデザインのスキルは独学でも身につくから
- 身につけられるスキルに対して受講料が高すぎるから
- 実務で通用するレベルのスキルは身につかないから
- 就職・転職するにはスクール歴ではなく実務経験が求められるから
- スクールで学んだくらいのスキルではフリーランスとして食べていけないから
残念なことに、上記はすべて事実です。
webデザインスクール賛成派の僕も反論するところはありません。
でも、だからといって、webデザインスクールへ行くことが無駄だとも言えません。
なぜなら、そもそもwebデザインスクールへ行くのは、「短期間」で「効率的」に「基礎スキル」を身につけることが目的だからです。
だから、長々と時間がかかってもいいからマイペースにスキルを身につけたいと考えている人にとっては、行く意味が少なくなるのは当たり前。
また、プロレベルのスキルを習得できると過度に期待して行くと、あとで身についたスキルのショボさに「なんであんなに高い学費を払ってしまったんだ」と後悔することになるでしょう。
ここで改めて理解しておいてください。
あくまでwebデザインスクールへ行くのは、「短期間」で「効率的」に「基礎スキル」を身につけるため。
決して、一人前のwebデザイナーとして活躍できるくらいのスキルを身につけるためではありません。
webデザインスクールのメリット・デメリット
「高いお金をかけてwebデザインスクールへ行くことに本当に価値があるのか?」
それを判断するために、webデザインスクールのメリットとデメリットを掘り下げてみましょう。
webデザインスクールの受講期間は半年〜1年くらい。
その期間で習得できるのは、現場で働くプロの目線からすると、初心者に少し毛が生えたくらいの知識と技術です。
それでも受講費用は安くても20万円くらいはしますよね。
なぜ、基礎レベルのスキルしか身につかないのに、それほど受講費用が高いのか?
その理由は、以下の3つのメリットが得られるからです。
- webデザインスクールのメリット3つ
-
- カリキュラム: 学習計画のこと。初心者でも道を迷わず効率的に学習を進められる
- 講師: わからないことを質問・相談できる
- 課題: 強制的に手を動かす機会となり、自分のレベルを確かめる機会にもなる
あなたは、この3つにお金をかける価値があると思いますか?
もし、これら3つを自力で揃えられるなら高額なスクールへ行く必要はありませんよね。
そういう人は独学で十分。
以下でそ「カリキュラム」、「講師」、「課題」について詳しく説明していきます。
それぞれの価値を考えてみて、お金を払ってもいいかどうかのヒントにしてみてください。
「カリキュラム」のおかげで、初心者でも道を迷わず効率的に学習できる。
カリキュラムとは学習計画のことです。
webデザインスクールへ行けば、カリキュラムがあるので、勉強の始め方につまづかなくて済みます。
初心者の独学でけっこう悩まされるのが、学習計画の立て方です。
「何から始めればいいのかわからない」
「次は何を勉強すればいいのかわからない」
こうした悩みを解決できるのがカリキュラムです。
右も左もわからないとうろたえていた人もカリキュラムが方向を指し示してくれているので、もう道に迷いません。
遠回りすることなく最短ルートで必要なスキルから順番に身につけていけます。
わからないことを質問できる「講師」の存在は、まさに神。
webデザインを学んでいく過程では、わからないことが山程出てきます。
すでに14年の経験がある僕でも同じ。
web制作に関する技術は常に新しいものが出てくるので、ついていくのが大変です。
今となっては、わからないことが出てきても、答えを探すコツみたいなのがわかってきたので、大抵のことは自力で解決が可能です。
しかし、初心者のうちは、調べるスキルも低いので、なかなか答えにたどり着けません。
知ってる人に聞けば5分で解決することでも、1日がかりの大仕事になってしまいます。
そんな初心者にとって神ともいえる存在が講師です。
講師は、技術的な質問はもちろん、web業界の先輩として就職・転職活動やキャリアップなどの相談にも乗ってくれます。
こうした存在が身近にいてくれるのは、学習スピードをましてくれるだけでなく精神的な不安もやわらげてくれるでしょう。
「課題」とは? 手を動かす機会と自分のレベルを知る機会を与えてくれるもの。
webデザインスクールへ行くと、段階ごとにレベルに合わせた課題を与えられます。
webデザインのスキルを最も伸ばす方法は「手を動かす」ことです。
いくらネットや本で知識を得ても、実際手を動かさない限りは知識がスキルとして身になることはありません。
スクールへ行くと課題があるので、手を動かす機会が強制的に与えられます。
課題にチャレンジすることで、今の自分のレベルを確認することができます。
課題を講師に添削してもらえるのもメリットです。
独学だと、どうしても身につけたスキルが自己流に傾いてしまいがちなんですよね。
教科書どおりの正しいスキルを身につけておけば、将来、どこの現場へ行っても通用しやすくなります。
このように、高い受講料は「カリキュラム」「講師」「課題」のため。
これまでお伝えしてきたように、「カリキュラム」「講師」「課題」の3つを得られるからこそ、高いお金を払ってまでwebデザインスクールへ行くわけです。
逆に言えば、これら3つに魅力を感じないような人であれば、わざわざwebデザインスクールへ行く必要はありません。
以下のように独学でじゅうぶんでしょう。
- webデザインスクールが向かない人
-
- 自分で学習計画を立てられる人 → カリキュラム不要
- まわりに質問・相談できる人がいる → 講師不要
- 自発的に手を動かすことができる → 課題不要
カリキュラムも講師も、そして課題も不要ならもうwebデザインスクールへ行く必要はないでしょう。
webデザインスクールの選び方 ポイント3つ
webデザインスクールへ行くことのメリットは、「カリキュラム」「講師」「課題」 だとお伝えしました。
それなら、webデザインスクールを選ぶときもこれら3つに注目するのは当然でしょう。
以下、webデザインスクールの選び方です。
- 1. 実践的な「カリキュラム」があるスクールを選ぶ
- 2. 現場経験のある「講師」がいるスクールを選ぶ
- 3. レベルごとに適切な「課題」を与えてくれるスクールを選ぶ
それぞれを詳しく掘り下げます。
1. 実践的な「カリキュラム」があるスクールを選ぶ。
「実践的」いうのは、実際に手を動かしながら、という意味。
つまり、「実際に手を動かしながらスキルを身につけていけるカリキュラム」になっているwebデザインスクールを選びましょう、ということ。
単に動画を見たり本を読んだりするだけでは、知識が増えたとしても、スキルを使いこなせることにはなりません。
学習が始まる前にカリキュラムで身につくスキルを想像するのは難しいと思いますが、webデザインスクールのサイトを見れば、段階ごとに作れるものの例が示されている場合があります。
「ここまで学習したら、これが作れる」
「次はさらにこれを学習し、これを作る」
こうした段階ごとに何が作れるようになるのか具体的に示されたwebデザインスクールを選びましょう。
一人前のwebデザイナーへ近づくには、勉強した内容を知識として蓄えるだけでは足りません。
知識をスキルとして使い回せるようになることが重要。
そんなカリキュラムになっているかどどうかを必ずチェックしてからwebデザインスクールを選びたいです。
2. 現場経験のある「講師」がいるスクールを選ぶ。
webデザインスクールの講師の中には、web業界未経験者もいるので注意しましょう。
web制作に関わる技術は本当に目まぐるしく変化します。
技術的な質問をして、古臭くもう使われていないテクニックを教わるのは嫌でしょう。
最新の現場でも通用するテクニックを教わりたいはずです。
また、将来のキャリアについて講師に相談してみたいという人もいますよね。
当然、現場での経験のない講師なら、相談相手としては役立ちません。
本来、講師は頼れる存在であるべきです。
現場での実務経験はもちろん、就職・転職によるキャリアアップの経験があり、フリーランスとして活動したこともある講師なら理想です。
といっても、そんなスーパ講師はさすがにいないと思いますが……。
3. レベルごとに適切な「課題」を与えてくれるスクールを選ぶ。
もう何度も言ってますが、webデザイナーに必要なスキルは手を動かして初めて身につきます。
知識を動画や本でなぞるだけでは足りません。
自分で課題を見つけて手を動かすきっかけを作れるのが一番ですが、丁度いい課題を見つけるのは実はなかなか難しいです。
課題は、いつも今の自分のレベルより少し高いハードルを与えてくれるくらいのレベルのものにしたいです。
いま手持ちのスキルを応用するきっかけとなり、次に身につけるべきスキルを気づかせてくれるからです。
そんな課題を与えてくれるようなwebデザインスクールを選びましょう。
課題をいくつもこなしているうちにポートフォリオもできていきます。
ポートフォリオとは、作品集のことです。
web業界への就職・転職活動では必ず求められます。
ポートフォリオの出来で職を勝ち取れるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
基礎スキルを学んでいる過程で作ったレベルのポートフォリオが、就職・転職を成功させるのは難しいかもしれません。
しかし、クラウドソーシングでお小遣いを稼ぐために役立つことはあるでしょう。
クラウドソーシングとは、報酬が発生する案件とwebデザイナーをマッチングしてくれるサービスです。
webデザインスクールへ通っている間でも、そのときのレベルに合った案件を見つけられれば収入を得ることができます。
案件を得るため必要なのがポートフォリオです。
依頼主は必ず過去の制作物のクオリティを確かめてから依頼先を決めます。
簡単な作品ばかりを集めたポートフォリオでも、お小遣いくらいの報酬の案件なら受注のきっかけとして働いてくれるかもしれませんよ。
このように「カリキュラム」、「講師」、「課題」に注目し、webデザインスクールを比較すると、かなり候補を絞れるはずです。
僕も、これから自分が通うならと仮定しwebデザインスクールをいくつか選んでみました。
おすすめのwebデザインスクール 5つ
webデザインスクール名 | おすすめポイント | おすすめコース | 料金 | 期間 | 転職サポート | 案件紹介 | 受講スタイル |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TechAcademy | 無料体験あり! 続けやすい短期コース。WordPressやwebマーケティングとセットも可能 | Webデザインコース+WordPress | 社会人360,800円〜 学生316,800円〜 |
12〜24週間 | ○ | ○ | オンライン |
インターネットアカデミー | 受講料の最大70%(56万円)が受給できるチャンス | Webデザイナーコース | 367,400円 | 3~4ヶ月 | ○ | X | 通学/オンライン |
デジハリ・オンライン | 質問・添削・就職/転職サポートで確実にスキルが身につく | Webデザイナー講座 短期集中プラン |
203,500円 | 3ヶ月 | ○ | ○ | オンライン |
codecamp | 無料体験あり!仕事や家事とも両立しやすいデザインマスターコース | Webデザイン基礎コース | 198,000円〜363,000円 | 2〜6ヶ月 | ○ | ○ | オンライン |
デジタルハリウッドstudio by LIG | ウェブ業界で最先端の環境でスキルを習得 | webデザイナー専攻 | 495,000円 | 6ヶ月 | ○ | ○ | 通学/オンライン |
上記は、これまでお伝えしてきた「カリキュラム」、「講師」、「課題」の3つの条件で絞り込んだ結果。
僕的おすすめwebデザインスクールです。
5校を選びました。
詳しい選考のポイントは以下の記事でお伝えしているので、どのwebデザインスクールがベストかを悩む人はぜひ参考にしてみてください。
どのwebデザインスクールへ行く場合でも必ず守ってもらいたい鉄則があります。
受講料を払う前に必ず無料カウンセリングを受ける。
あなたの目指す将来像にマッチするコースを受講するべきだからです。
ひとつのwebデザインスクールでも、目的が異なる複数のコースを選択できます。
- なぜwebデザインデザイナーになりたいのか?
- どういったものが作りたいのか?
- どういう働き方を将来していきたいのか?
- 転職・就職したいのか? それともフリーランスになりたいのか?
- どの程度の収入を期待しているのか?
- 副業やスキマ時間でお小遣いくらいの収入が稼げたらいいのか?
- 今の生活状況。通いは可能かオンラインでの受講のほうがいいのか?
こうしたことを無料カウンセリングで伝えると、どのコースが最適かを提案してくれるはずです。
例えば、webデザイナーを目指すのにプログラミング主体のコースを選ぶのは間違ってます。
photoshopやillustratorがカリキュラムに入り、デザインの論理から教わることができるコースにしましょう。
一方で、スマホアプリやwebサービスを作ってみたいならデザインではなくプログラミング寄りのコースを選ぶべきです。
即就職・転職したいなら転職保証付きのスパルタコースというものがありますよ。
webデザインみたいな大層なものではなく、広告用のバナーや1枚で完結するLPを作りお小遣いくらいが稼げればいい、という程度なら超短期間の副業デザインコースのようなものでもいいかもしれません。
また、フリーランスとして独立を目指すなら、そのためのノウハウもカリキュラムに入っているコースでなければいけないでしょう。
受講期間中に報酬が発生する案件を紹介してくれるコースもあります。
このように質の高いスクールを選ぶだけでなく、目的と一致するコースを選べるかどうかも、webデザインスクールを無駄にしないためには重要です。
【まとめ】webデザインスクールは、無駄ではない
最後にもうひとつだけ。
webデザインスクールを無駄にさせないためのアドバイスを残しておきます。
スクールへ行く前に、少なくとも1ヶ月くらいはwebデザインのスキルに触れてみる。
以下のProgateなんて最適です。
軽くでも触れてみて、なんとなくでもいいので「楽しさ」を感じるなら良い兆しです。
スクールへ行っても後悔するリスクは少ないでしょう。
逆に、少しの楽しさも感じず、興味も出ず、ただただつまらないと感じるならスクールへ行くことはもちろん、webデザイナーという職業を目指すことも止めておいたほうがいいかもしれません。
webデザイナーという職業に適正があるかどうかを判断するためにもProgateのような無料レッスンは役立ちます。
以上、webデザインスクールを無駄にしないための方法をお伝えしてきました。
webデザインスクールへ行った後、さらにスキルアップする方法は以下の特集記事をご覧ください。
あなたが少しずつでもwebデザイナーへ近づいていくことを願ってます。
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