細々と活躍するフリーランスにも役立ちそうなリスティング広告の効果の見方

2016年11月16日
カテゴリー SEO フリーランスの生活・仕事術

リスティング広告を知っ得!

過去との遭遇。ハードディスクの容量が一杯に近づいてきたので整理していたら、なんと8年前の初々しい記録を発見しました。

フリーランスとして開業したての頃、毎日リスティング広告の効果をエクセルで入力してました。几帳面ですよね。

売上 経費 利益
138,000円 46,488円 91,512円

売上は約14万円、経費を引けば、残る利益は10万円にも達しません。これが開業初月の現実でした。

さらに残酷な事実を言っておけば、ここから所得税、国民年金、国民健康保険が差っ引かれるわけですから、手元に残るお金はもっと少なくなります。

今度は収支の赤裸々な内訳を貼っておきましょう。

売上 経費 利益 インプレッション数 クリック数 クリック率 CPC 問合数 問合コスト 問合率 受注数 受注率 受注コスト
138,000円 46,488円 91,512円 28,931回 352回 1.2% 132円 14件 3,320円 3.97% 4件 1.13% 11,622円

(表を横スクロールすると詳細を見られます)

これから詳しく説明しますが、広告費に対しての効果がこの表で一目瞭然です。ついでに集客にリスティング広告を利用したフリーランス的な理由も語っていきます。

フリーランスになるには、

how to become a freelancer?

フリーランスになる方法に決まったレールはありません。資格や免許は不要です。極端に言えば、手をあげて宣言すれば誰でもその日からフリーランスです。いや、言葉に発さずただ心のなかで自称するだけでもフリーランスの肩書は得られます。

そんな、「なるには簡単なフリーランス」なのですが、何が難しいかといえば「仕事を見つける方法」です。

ボクのようなウェブデザイナーの場合でいうと、フリーランスになる一番の王道は、たぶんウェブ制作の会社に入って経験を積んでからの独立ってパターンだと思います。

例えば、よく言われる、正社員になったら3年は我慢しなさいというのがあります。3年も同じ会社で同じ業務に従事すれば、デザイナーとしての技術的な向上はもちろんのこと、独立後に活用できる人間的なつながりも形成できるはずです。

「スキル+人脈=フリーランスの生命力」です。会社での勤務期間に蓄えておいた生命力が、そのまま独立後の生活費の源泉になります。

偉そうなこと言いましたが、独立当時の僕に実務経験はまったくありませんでした。なので、無論、開業直後に仕事を紹介してくれるコネもなかったです。自力で仕事を見つけてくる以外に生活費を稼ぐ手段はありませんでした。

どこで仕事を見つけたか?

リスティング広告からサイトへ集客

「自サイト + リスティング広告」です。リスティング広告はPPC広告なんて呼ばれることもあります。

クラウドソーシングに頼ることはしませんでした。8年前も、今ほど活気づいているわけではありませんでしたが、クラウドソーシングは存在していました。仕事のツテがない人には、特にピッタリのサービスですよね。

登録してプロフィールを埋めれば、誰でも仕事を得る機会に恵まれます。仕事の種類はデザイン関係だけでなく、ライター向けの文章作成、エクセル入力のような単純作業など、得意な分野で案件を探せます。

まだ実務の経験がない人にとっては、お金の発生する案件で自分のスキルが通用するのかどうかの腕試しの場にもなりますね。

でも、クラウドソーシングには前向きになれなかったです。理由は以下の記事で説明してます。

この記事で語っているような理由と戦略で、自分のサイトを作って案件を得る方法を選びました。サイトを作れば、アクセスが必要になりますよね。アクセスを得る方法として、リスティング広告を始めたわけです。

当時、SEOは苦手でした

SEOには行かず、リスティング一本でアクセスアップを狙いました。

そういえば8年前は、まだGoogleとYahoo!の検索結果が違っている時代でした。

相互リンクとかポータルサイトへの登録とか、被リンクの構築が自演でも有料でも効果が出やすかった頃です。

h1タグを決まってページ最上部へ配置したり、本文中のキーワードの出現率も気にしたりと、SEOのテクニックによく翻弄されていた時代です。

熾烈なSEOの技術的な争いにまったく勝ち目を見いだせず、リスティング広告オンリーで攻めることを決意しました。

リスティング広告は、SEOよりも早く結果が得られます。広告を設定したその瞬間からサイトへのアクセスが発生するので、サイトの質を測るのも短期間で済みます。

「ホームページ作成」みたいな季節や行事に影響を受けず需要が年間で割と一定する商品は、サイトの質が変わらなければ、サイトの売上も一定します。

サイトの質とは、訪問者にとっての「サイトの使い方」です。サイトの見え方や操作方法とかもろもろ含めて、訪問者がどんなふうにサイトを見て使い感じているのかということです。

サイトの質によって、「これだけ広告費用を使ったら、これだけ儲かるのだ」という法則が生まれます。その法則を具体的に見える形にしたものが、実は冒頭で紹介した売上表なのですね。

表を見ると、広告費に対して、わずかでもしっかり利益が生じていることがわかります。最初の1ヶ月目で、広告を出し続けることに迷う必要はないと判断しました。その結果が今に至っています。

もう一度、表を掲載しておきます。横長でちょっと見づらいですが、横スクロールで全体を眺められます。

売上 経費 利益 インプレッション数 クリック数 クリック率 CPC 問合数 問合コスト 問合率 受注数 受注率 受注コスト
138,000円 46,488円 91,512円 28,931回 352回 1.2% 132円 14件 3,320円 3.97% 4件 1.13% 11,622円

それでは、売上表の見方を説明していきましょう。リスティング広告を利用するときに覚えておくと得することも補足してます。フリーランスにとっての仕事を得る方法のひとつだとして参考になれば幸いです。

売上

売上

月間の売上のことで「月商」です。リスティング広告を見て、サイトに来たお客様がHPの作成を発注してくれると売上が発生します。その1ヶ月の合計です。

月商のことを「月収」という言い方をするややこしい自営業の人もいますが、勘違いしちゃいけません。月商まるまるが、手元に残るわけではないからです。

経費

コスト

月間でかかった経費で、ここではリスティング広告に投じた費用だけを計上してます。

開業一ヶ月目から売れるか売れないか予測できない事業へ、未熟なフリーランスが5万円近くの広告費用をかけるのは勇気のいる行動でした。

でも、まるで何の投資もなく利益を生み出そうとする考え方には、この頃から違和感がありました。

広告費は投資です。あまりお金をかけられないという事情は理解できるのですが、お金を一切かけずに済む儲け話なんてないでしょうというのが本音です。あるなら、僕も乗っかりたいです。

とにかくホームページにとってアクセスは血流です。訪問者が流れてこないサイトは、死んでいるのも同然です。

サイトの質を問うためにもアクセスは必要です。HP開設当時は、本当に誰にも見てもらえないので、そのサイトが本当にビジネスに役立つかどうかの判断もできないのです。

サイトの反応を知るためだけでも、広告費はムダになりません。アクセス無しでホームページをムダ死にさせることが一番もったいないです。

利益

利益

売上から経費を引いた金額です。この金額こそが月収です。

本当はサーバー費用や電話代などが他に事業経費としてかかってますが、ここではリスティング広告にかけた費用だけを経費として差し引いてます。

わずか9万円しか残りません。ここから税金を払って、生活に使えるお金はさらに少なくなります><

税金を支払ったあとの金額が、サラリーマンでいう「手取り」です。つまり僕のフリーランス開業時期の手取りは、10万円にも遠く及ばなかったということになります。

インプレッション数

インプレッション数

検索キーワードと連動して、広告が検索結果に表示された回数のことです。

この回数が多いほど検索結果への露出が増えます。たくさん広告が見られることになるので、クリックしてもらえる機会も増えます。

インプレッション数の増加は重要ですよね。まずは広告が表示されないことには、「クリックも発生しない=アクセスが来ない」からです。

出稿するキーワードの種類かキーワードごとの予算を増やせば、インプレッション数も増加させられます。しかし、肝心なのは、売上に結びつくキーワードのインプレッション数だけを増やすことです。

リスティング広告を続けていると、思っても見なかったキーワードからの売上が多いことに気付かされることがあるので、最初は幅広く可能性のあるキーワードに広告を出すべきでしょう。

ただ、必ず定期的にインプレッション数による影響も込みで費用対効果を振り返らなくちゃいけません。どのキーワードへのインプレッションを増やすべきかを検討します。闇雲にインプレッションを増やした結果、ムダなクリックによる広告費用の消費が増大するという失敗を避けるためです。

クリック数

クリック数

広告がクリックされた数です。サイトへのアクセス数と一致します。

クリック数もインプレッション数と同じで無闇に大きくすることに意味はありません。重要なのは、いかに売上に結びつくクリックを増やせるかです。

例えば、「ホームページ作成ならこちら」という広告では、「無料のHP作成サービスを探している人」と「HP制作会社を探している人」が混在して集められます。中には、HTML/CSSのようなHP作成スキルについて調べている人も含まれているでしょう。これでは、広告費のムダがたくさん発生してしまいます。

そこで必要なのが、ターゲットを想定した上での広告の最適化です。求めているターゲット以外をフィルターにかけ、効果的なアクセスだけを集められるような工夫が広告フレーズ(キャッチコピー・言い回し)に必要です。

クリック率

クリック率

広告の表示回数に対するクリックの割合です。広告が表示される場所と広告の質がクリック率の増減に影響します。

場所が目立つ位置であれば、クリック率は増えます。場所が悪くても、広告の言い回しが共感や興味をうまく引けるクオリティであればクリック率は上昇します。

広告の表示位置は広告費用の額で決まります。予算に余裕のない人ほど、広告の質を工夫しましょう。刺さるキャッチコピー、共感や関心を得られる言い回し、

CPC

CPC

クリック単価(Cost Per Click)のことで、クリック1回あたりの広告費を表します。サイトを1回見てもらうためにかかったお金、ということもできます。

リスティング広告を始めた頃から8年が経ちました。クリック単価が3倍になったキーワードも珍しくありません。おそらくこの後もCPCの全体的な高騰は続くでしょうね。

CPCが増えると利益は縮小します。売上をなんとか現状のまま維持できても、今後のCPC高騰に備えて対策を考えておく必要があります。

まず取り組んでいきたいことが、やっぱり「SEO」です。リスティング広告に励む最中は、SEOへ活用できるキーワードと検索市場のリアルなデータが得られます。

開業当時に作ったサイトでは投げ出しましたが、コンテンツの質が検索上位表示へより影響しやすくなった今、このブログも含めて複数のサイトでSEOを実験してます。わりといい感じで、リスティング広告への依存度が以前の3分の1くらいになってます。

問合数

問い合わせ数

「リスティング広告→サイト」で生じたお問い合わせの数です。問合数は、コンバージョン数という言い方にも変えられます。

コンバージョンとは、サイトに設定する目標のことです。サイト訪問者にとってのゴールを表します。サイトに来てもらって、お問い合わせしてもらうことが、サイトにとっての目標でゴールですよね。

リスティング広告では、リスティング広告経由のコンバージョンを数えるための「コンバージョンタグ」というものを取得できます。サイトのHTMLへ記述すれば、管理画面からコンバージョンの数値を調べられます。

リスティング広告の効果を数字で把握できるので、必ず設定しておきます。

問合率

問い合わせ率

広告クリックに対してのお問い合わせ送信の割合です。リスティング広告経由のアクセス数に対して、どの程度のお問い合わせが発生したのかを表します。

初月で「3.97%」は、いま振り返ると上出来です。だいたい1〜3%の間を推移するのが普通でしたね。1%を下回る場合は、焦って原因を探り、改善策を講じてました。

受注数

受注数

お問い合わせの全てが正式な受注に結びつくわけじゃありません。相見積もりに負けたり、お問い合わせ後の僕の対応が気にくわないという理由も、受注失敗へ繋がったはずです。

確かに言えるのは、受注率を上げるのに一番大きく影響するのは提案力です。受注率を上げるため、見積もりと一緒に企画書を書いて渡すようにしてました。金額だけを知らせるのではなく、サイトマップを書いて、「各ページにこんな内容を載せましょう、なぜならこういう目的があるからです」とプレゼンします。

オフラインでも読める企画書があると、お客様も検討しやすいですし、記憶にも残りやすいです。また、企画書に記録しておくことで、料金や要件についてお互いの認識の違いによるトラブルを避けるメリットもあります。

受注率

受注率

最終的に受注に至った率です。「お問い合わせ→正式な受注」の割合ではなく、ここでは「アクセス→正式な受注」の受注率を記録してます。

受注コスト

受注コスト

最終的に受注一件にかかった広告費です。ウェブデザインの案件をひとつ「11,622円」で受注していたということです。

受注コストこそ、めちゃくちゃ大事な数字です。商売を始めるときに必ず熟知しておく必要があります。

ここでいう受注コストは、お客様ひとりを獲得するためのコストで、「顧客獲得コスト」と呼ばれたりもしてます。

いまもウェブ制作事業をしているので、普段からたくさんの「ネットショップを開業したい」や「こんなサービスをHPでアピールしたい」という相談に対応しています。

それで、「何をいくらで売ろうとしているのか?」と質問すると、すっごく安い値段で売ろうとしてて焦ることが多いです。その値段じゃ、顧客獲得コストも回収できませんよ、となります。

例えば、「ハンドメイドのアクセサリーを販売するネットショップを作るんだ!」と意気込んでいるとします。アクセサリーの平均単価が1,000円とします。それで、だいたいいくらくらい顧客獲得のための費用がかかるか計算してみると2,000円でした。ということは、1個売るたびに1,000円の赤字がでてしまいます。最初から赤字になることが目に見えています。

これが、リピート購入による利益確保を目論んでいたり、何かしらの高額商品へ導入するための入り口商品ということだったりすれば、納得できます。けれど、たいていが「安ければ売れるだろう」という安易な計画で困ります。たとえ売れても、利益が出ないからです。

広告に頼らずSEOなら顧客獲得コストはゼロだろう、という意見もあります。確かに、自然に検索上位表示が実現すれば、顧客獲得コストの自腹はありません。

ただ、SEOは長期的な取り組みです。期間中にかかるコストに注目すれば、HPの維持費や更新担当者の人件費など、売上が発生するまでの間は色々な名目でコストを消費します。

リスティングか、それともSEOで行くか、どちらの費用対効果が優れているのかを計算するのは、期間という条件ひとつをあげただけでも難しいです。

ただ、リスティング広告を利用したときの顧客獲得コストが高くなるほど、SEOの難易度も高くなるのが普通です。自分が売る商品やサービスをひとつ売るためにかかる顧客獲得コストとSEO難易度はあらかじめ知っておいたほうが良さそうですね。

ということで、特に開業時期、お世話になったリスティング広告の効果の見方と活用方法を説明してきました。フリーランスにとって重要な、「自分の技術を売る相手」を見つけるためのひとつの方法として意外に使えるのでおすすめです。

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